電気もまともに通っていないサンフランシスコ村から脱出して
3/19、僕はリマ行きのバス停でこのブログを書いています。
あの村のアヤワスカ、強烈で不思議な体験でした。
はっきりと言えることは、もう二度とこの村に来ることは無いでしょう。
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アヤワスカ(ケチュア語)は、南アメリカのアマゾン川流域に自生するキントラノオ科のつる植物バニステリオプシス・カーピ(Banisteriopsis caapi、以下カーピ)のこと。または、カーピに、ジメチルトリプタミン (DMT) を含む植物を加え、煮出して作られた向精神性の飲料。服飲すると、嘔吐を伴う強力な幻覚作用をもたらす。主にアマゾン西部の先住民族がシャーマニズムの儀式や民間療法、宗教儀式などに用いる Wikipediaより
うだるような暑さの中、虫が僕めがけて寄ってくる。
テング熱が怖い僕は蚊帳の中で懐中電灯をつけて読書をしていた。
夜9時01分。ここでもう4ヶ月間シャーマンに弟子入りしているという
ロシア人が外から声をかけてくる「セレモニータイム」
彼女の後に続いて、25角形ぐらいのサーカスのテントみたいな形をした
木造の部屋に入る。

やっぱり今日のセレモニー参加者は僕だけだった。
正確には僕と助手のロシア人か。
シャーマン マテオは既にいて、簡単なマットの上で
横笛みたいなのをピーピー吹いていた。
その左隣にロシア人のマットが敷いてあり、彼女はそこで坐禅を組むように座る。
僕はマテオの奥側のマットへと座るように指示され、なんとなく
ロシア人を真似てあぐらをかいた。
ピ〜ヒー ピ〜匕ー
音楽とも動物の鳴き声とも言えない音を奏でるシャーマン。
今朝の雰囲気とは違い、近寄りがたい。
完全に違う世界を作り出していた。
目はどことなく一点を見つめていては時折、
ファァァああ とアクビなのか儀式の流れなのか分からない仕草をする。
時間にして15分くらいだろうか、随分と長い間、
独自の間で笛を吹いたり辞めたり。時に口で音を出している。
その他、僕の耳に入ってくる音と言えば、
虫の鳴き声や動物の足音だけだ。
シャーマン マテオはおもむろにパイプを取り出してマッチに火を点けた。
ジッ、ボファ シュウゥ〜ぅ
マッチをする音がサーカステントに響いた。
先ほどの笛の音が思っていたより小さいことに気がつく。
ブゥーーーー ペッ
ブゥーーーー ペッ
マテオは大きくブゥーと音を出しながら
身体全体に煙を何度も吹き付ける。
その後は必ずツバをペッと吐き出した。
ウロウロ歩いては部屋全体にブゥーー。ペッ。
外に出て行ったと思ったらブゥーー。ペッ。
ひと通り吹付けの儀式?が終わると自分のマットの上に座り、
隣に置いてあったペットボトルの中にブゥーーー、ブゥーーー
と煙を吹き入れた。ペットボトルの中には泥水のような
液体が入っていて、その液体と煙を混ぜる。
きっとこれがアヤワスカなのだろう。察しがついた。
と同時にツバを吐き入れないで良かった!と安心する。
まずはロシア人に1杯つぐマテオ。
まっず!!という顔をして飲んで、コップを空にすると
「エスタ ビエン、エスタ ビエン」(very good)と
笑顔でマテオを見つめている。もはや師弟関係を超えているのでは?
なんてイヤらしい事を想像していると、僕の番だ。
ショットグラスより大きく紙コップよりひと回りい小さいグラス。
ゴクン、ゴクン、ゴク。ぐらいで飲み干す。
味は、醤油のしょっぱさを1/3ぐらいにして焦げを入れ
洗剤で味付をし、アクセントにゴーヤをすり潰したものを入れた感じだ。
一言で表すと、吐きそうなほどマズイ。
この状態で灯りを消して、30分ほど待って何も変化を感じなければ
もう1杯どうぞ。という事だった。
僕はマットに横になったり、座ったりしながら、“その時”を待った。
数十分たっても、暗闇で何も見えない。
自分にも変化は感じなかった。
すると、マテオがまた等間隔に音を出し始めた。
スぅ〜〜〜、ピーーーーー
スゥ~〜〜、ピーーーーー
間違いない!寝息だ!
マテオ寝てるし!!!!
やべぇ!!アヤワスカ飲まされた後に置いてけぼりにされた!!
変化は何も感じない。口にマズイものが残っているだけだ。
もはや、このシャーマンに騙されたと確信する。
何がヴィジョンが見えるだ!イビキかいて寝やがって!
ちきしょう。こんな離れた場所まで多くの時間と金をかけて損をした。
僕もマットに横になるとiPhoneを取り出して時間を見た。
10:43分。セレモニー開始から随分と時間がたっていた。
くだらね!!ただ、自分の部屋に戻るのは怖い。万が一
この後に何か変化があったら嫌すぎる。
ひとまず僕も目をつぶって寝ることにする。
どれくらいたっただろうか?遠くの方から歌が聞こえた。
いや、シャーマン マテオが歌い始めたのだ。
同じフレーズを何度かいい、また次のフレーズに。
スペイン語ではなさそうざ。
ウンパカショーメラメード♪
ウンパカショーメラメード♪
こんな感じだ。
とっても心地よい音程とリズム。
寝そべったまま目をそっと開けてみた。
グゴォォォォォォォォ!!!!!!!!!
うわぁぁーーーーー!!!!!!!
天井がガタガタと1角ずつ引っかかりながら回転している!!!!
引っかかっては上下に揺れ、まるで遊園地のメリーゴーランドの様に
上へ下へ揺れながら、グルグル回る。
そして蛍光の青、赤、黄色、緑、紫の細い糸が規則正しく編まれていて、
30cm四方くらいの布のようなものがある。
(これが幾何学状の模様というのかもしれない)
その布が、ありとあらゆる天井の支柱に蛇のように這っては絡みつく。

シャーマンの歌は止まらない。
グゴォォォォォォォォ!!!!!!!!!
ぐらんぐらん廻る天井にカラフルな幾何学状の模様。
うぉーーーーー
アヤワスカ、これ「悟る」というより、「キマる」だな、やっぱり。
いや、キマるというより、目が廻る。
オェェェェェェェ!!!!
たまらず横に用意された洗面器を引き寄せ、吐こうとするが、
ほとんど食べていないので胃液とゲップみたいなものだけ出る。
気持ち悪すぎる。僕はまた横になる。
どれくらい回転が続いただろうか?
しばらくするとガタガタいって止まり、
幾何学状の模様だけが天井を這う。
僕はゆっくり目をつぶった、すると、巨大な船の舵があらわれて、
僕はそれを回したい。
おりゃーーーーー!!!
ピクともしない。一生懸命押していると、幼稚園から今まで知り合って、
名前や顔も忘れていた人たちが大勢現れた。懐かしいという
気持ちはなく、当たり前のように皆で一斉に船の舵を動かく。
ビクともしない。僕は掛け声を出す。
せーーーーの!!
やっぱり動かない!!
と思っていると、後ろから巨大な手で舵を回す誰かが現れた。
僕は舵を回すので必死だったので顔は見ない。
でも分かったことは、僕らは全員小人だったということだ。
僕も含め、今まで出会った人間は皆、力を合わせたところで
舵一つ回せない無力な小人達だった。
巨人が簡単にグルっと舵をひねると、扉が開いた。
これは船の舵ではなく、何か大きな金庫の扉のようなものだった。
その中に入ると僕の慣れ親しんだ地元の運動公園があって、
自転車がポツンと一つ置いてあった。
僕は思い出した。。。
僕は、ずっと「一緒に遊ぼう」という一言も
言えないシャイな子供だった。
臆病で根性がなくて、いつも母親の帰りを待っているんだけど
母親は仕事から帰ってくると、外で遊んでおいで!と言って僕を
外に出した。近くの公園には遊具が沢山あるのだが、
そこには同じ学校の人がいるかもしれないから、
違う学区にある運動公園で1人でよく、ボーっとしていたのだ。
胸が締め付けられた。
僕はそんな自分が嫌で無理をして自分を変えようと努力し続けた。
それは20歳を超えてからだと思う。
僕は皆と遊ぶのが大好きだった。誰でも良かった。
何をしても良かった。誰かと一緒にいれることが一番好きだった。
「一緒に遊ぼう」その一言がずっと言えないだけで
随分と寂しい時間を過ごした。寂しいだけならいいが
今思うとあれは完全に無駄な時間だった。
このアヤワスカの一人旅で僕は確信した。
今の僕は誰にでも話しかけるし、少々ウザがられる程、馴れ馴れしい。
でもいいのだ。僕はちゃんと自分なりに進化しているんだ。
旅に出るずっと前。
社会のネジになるのが嫌だったけど、
途中で社会のネジにすらなれない自分を知って
傷ついた。ネジは素晴らしいのだ。ネジにすらなれない
人間がネジを馬鹿にするが、ネジになれない奴は
世の中に寄生している極めて意義が低い存在であることを
知った。世界は完全にネジで出来ている。
ネジになりたい。
僕にはまだ蛍光の青、赤、黄色、緑、紫の細い糸で織り込まれた布が
見えていた。これはきっと僕の遺伝子なのかもしれない。
そしてさっきの大きな舵。
あれは運命みたいなものなのか?
いくら僕の過去を頼りに這いつくばっても動かせない大きな運命。
僕は誰かの見えざる手を頼りに、自然の流れに身を任せ、
ありのまま全ての現象を受け入れるしか無いのだろうか?
いや、そうでもあり、違うとも言える。
僕はまだまだ変われる。この旅でもっと強くなって、
もっと磨かれるんだ。
変わった僕は自分だけがなれるネジを見つけて、
蛍光の糸をしっかり巻き付けるんだ。
時間を確認すると2:30を過ぎていた。
僕はシャーマン、マテオの方向に手を合わせ、
自分の部屋に戻った。
*結論から言うと、僕には会ったことない人には会えませんでしたし、未来も見えませんでしたが、今まで会った無数の知人友人(よくこいつのことまで引っ張ってこれたな!という記憶に無かった人まで)、さらにはカラフルな幾何学模様がしっかり見えましたし、目も廻りすんごく酔いました。そして今日書いた内容は僕自身が感じたことで、人によって取り方は様々だと思います。話によると自殺願望が出たり、何度も吐いたり、ひとりごとを言ったり、バンバン地面を叩いたりと反応は様々のようです。僕は身体で出た変化で唯一言えることは、今、ひどい下痢です。
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