ずっとムラムラしている。
溜まった感情を吐き出したいのだ。濁った理論をぶっ放したいのだ。
けれど、それが上手く表現できるか僕には全くわからない。今まさにこの文字を打っている僕の指は、嘘発見器の針のように、ただただ、僕の感情を表して上下に震えているにすぎない。
飽きたはずのコロナ問題にも、いつしかノイローゼ的に取り憑かれて、公私ともに右往左往に震えているにすぎない。
そんな上下左右にガクブルなエブリディ。
皆さんご機嫌いかがでしょうか?
やっぱりあれだよねぇー
金かね、なんだかんだ心配になるのは。わかるわー。
僕もずっとお金の問題では苦労してきてるから。お金の話でいうと僕が20代に経験したことで学んだことがあるからここに記しておきたい。
あれは食べログどころかスマホもなかった時代。
ひょんなことで知り合った1つ上の男と意気投合。友達になった数ヶ月後に池袋にある汚ねぇ激安居酒屋で飲まないか?と神妙な面持ちで誘われた。
それまで何度も一緒に朝まで飲んでは夢や希望やエロを語り合ってきたダチ。
その日は、薄汚れた壁に貼られたメニューをバックにちょっとお涙頂戴なストーリーのイントロだった。
結論から言うと、金だった。
金貸してくれだった。
最近、転職したのだが給料日まで間があいちゃって、生活費が足りないとのことだった。希望額は20万だったが、当時の僕にはその金額は大きかったし、なにより出会って数ヶ月の奴だったし、約束の時間にはいつも遅刻して来たり、わがままだし、で彼に20万の信用を置くのは無理だった。
が友人思いの憎めない奴だったので、俺が貸せるのは5万だと伝え、返ってこなくても良いぐらいの気持ちでATMで下ろして渡した。
彼は次の給料日で返すと言っていたが、予想を裏切らず返済しない月日が流れた。元気?と聞くと、呼び出されて飲むことになった。
六本木駅で待ち合わせ、いつものように相当遅刻してきた彼は、僕にどうしても飲んでもらいたいビールがあると告げ、彼はそのお店にハマっていると目を輝かせ、僕は色々と言いたいことがあったが、とにかく、その店に行くことにした。
彼は「色々世話になっているから」と最初の一杯は奢らせてくれと言い店員に注文した。
もちろん2杯目からは割り勘なのでとりあえずメニューをみて、驚いた。
普通のバルっぽい店なのに、どのビールも1杯1000円以上するのだ。高いのは3000円以上。
話を聞くとそこはベルギービール専門店。いまでは珍しくないが当時は東京にも数店舗しかなかった。
珍しいグラスにそそがれた白いビールに驚いていると、彼は陽気に“チアーズ”と言った。笑
なんつうかなーー。
金にだらしない奴というのは、つまるところ、他人の心情にだらしない人なのかもしれない。と思った。
それが回り回って、自分を優先させ、自分の気持ちを抑制できず、金銭の出し入れもコントロールできず、こういうつまらない借金に陥るのではないかね。
酒を飲むなとは言わない。
ただ、貸主の前でベルギー産の白や赤いビールを飲むのは違うと思う(笑)
せめて、池袋の汚い居酒屋で、これ飲んで翌日大丈夫かね?というレモンサワーであって欲しかった。
そんな苦い思いを抱きながら僕は、大きなグラスを手に取り口をつけビールをすすった。
今まで経験したことのない、ほのかに甘く香りの良いスープのようなビールだった。
その後も、あまりにビールが美味しくて、そこに置いてある数種を説明受けながら飲んだ。
当時1杯1000円もするビールを飲もうなんて自分じゃ辿り着くことのない世界だったから、この経験を5万で買ったと思えば良いかと思うほどだったし、事実、その日は返済の話も出なかったし、お会計も結局僕が多めに出すほど奴は相変わらず金に困ってた。最初の一杯奢ると言った、ビールで潤す前の口はどこいった?
*****
それから数ヶ月後たったかな。そろそろ返済してくれないか?と聞いたら、彼は自分の持っているプレイステーション2とソフトをあげるから、チャラにならないか?と言ってきた笑
20半ばである。
相変わらず憎めない奴だ。
いいよ、と言ってその後、うちでゲームで遊んで、飲んで、その後もちょこちょこ会って、、それから、、もう10年ぐらい会ってない、連絡もない。
何が書きたかったのか。ここに辿り着きたかったのか。もはや最初に感じていたガクブルや感情は、何もない。
嘘発見器の針はもうブレていない。今、僕は、そんな日常で生きている。